世界の王室や、皇室のありようも変わってきている。それでも変わらないものがある。それは、「帝王学」を学ぶことだ。帝王学とは、王家や皇室など伝統ある家系・家柄などにおいて、特別な立場にある者が、その立場にふさわしい能力を養うために学ぶ全人格的な教育である。そんな「帝王学」が新たなリーダーシップ教育として注目されているのだという。
帝王学には、教養をはじめ、市井を知るための努力、また上に立つ者として民を統率するカリスマ性が必要となる。そして日本でもまた、英国と同じように帝王学がある。象徴天皇制ではあるが、神事をはじめ継承すべき国事行為や、公務があるからだ。同様に、ほかの国でも、帝王学と呼ばれるものはある。場所により内容は違えど、その土台にあるのは、現場に出向き、現実に生きる人々と触れ合い、その考えや生き方を十分に知る努力をしたうえで、俯瞰した立場に立つことの重要性だ。さらに俯瞰した立場で人々を率いるには、カリスマ性に加えて、強い自立心、多方面にわたる十分な知識と教養も必要である。歴史に学びながら次を予測する力も必要だ。また上に立つ者として、統制する相手とは一方的な関係性ではなく、互いに信頼し信頼されるという関係も必要である。そのためには、弱者への視点を持つことはもちろんのこと、ノブレス・オブリージュの精神も必要だろう。
まさに帝王学を身に付けることは、究極のリーダーシップを発揮できる力を養うことと同義ともいえる。そう考えると、これは特別な立場に立つ人だけではなく、むしろ普通の子どもにも、身に付けてほしい力といえないだろうか。特別な人の限られた学問とするのではなく、興味のあるところから取り入れてみることをお勧めしたい。