ムーヴ思考 ~バタフライ効果~

バタフライ効果とは、「非常に小さな出来事が、

最終的に予想もしていなかったような大きな出来

事につながる」ことを意味する言葉である。日本

のことわざでは、『風が吹けば桶屋が儲かる』

(一見関係のないようなことが、意外なところに

影響を及ぼす)と類似している。 

 

気象学者エドワード・ローレンツ氏が1972年に

行った講演『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサ

スでトルネードを引き起こすか』から由来してい

る。この講演の主旨は、「蝶の羽ばたきは、将来

そこから離れた場所で竜巻を引き起こすかもしれ

ない。天候を決定づける要素は複雑に絡み合って

いるため、どれだけ計測精度を上げても天候を正

しく予測するのは難しい」というものである。

れは、コンピュータを用いて長期の気象予報を計

算していた際にシステムダウンにみまわれ、やむ

なく再計算を行ったところ、再計算の際に含まれ

ていた小さな入力誤差(これを分かりやすく、

一匹の「蝶」になぞらえている)が、全く異なる

将来の予報につながったというローレンツ自身の

経験をもとにしている。 

 

このバタフライ効果の考え方は、将来起きること

を正確に予測することは不可能であることを示し

ている一方、より能動的に、個人の人生やビジネ

スにおいて活かすことも出来る。例えば、目の前

で何らかの事象が観察された際、その事象を引き

起こすキッカケとなった重要な要因を見出し、意

図的にその要因(蝶)を変化させることが出来れ

ば、より望ましい未来を実現する可能性を高めら

れる。また、バタフライ効果の考え方からは、自

分自身が身の回りで起こす小さなアクションが、

より大きな動きにつながり、結果として大きな変

化を社会にもたらす可能性を読み取ることもで

きる。