メンタルトレーニング ~ドリームキラーや勇気くじき~

 

ドリームキラーとは、他人の夢や目標に対してネガティブな言葉を投げかけ、せっかくの意欲をそいでくる存在。「無意識的ドリームキラー」と「意識的ドリームキラー」の2種類に分類されます。

無意識的ドリームキラー

「キラー(殺人者)」というと、他者を傷つけるために意図して攻撃してくる人を想像しがちですが、必ずしもそうではありません。組織開発ファシリテーターの長尾彰氏は、ドリームキラーの典型的な例として、親・教師・友人・上司など身近な存在を挙げています。

「起業したい」とあなたが言ったとして、家族や友人など身近な人の多くは、「やめておいたほうがいいんじゃない?」と引き止めるのではないでしょうか。起業にはお金も労力もかかる……などのリスクを考え、「あなたのためを思って」助言してくれるのでしょう。しかし、彼らのネガティブな言葉によって、あなたの「やるぞ!」という気持ちが、少なからず損なわれてしまうのは事実ですよね。

あなたを心底から思ってくれている身近な人ほど、無意識なドリームキラーになってしまうことがあります。あなた自身、純粋な善意から出た言葉で、誰かの夢を壊してしまっているかもしれません。

味方であるはずの身近な人の言葉によって、自分の夢・目標が知らず知らず傷つけられていないか。反対に、自分も誰かの夢を否定してはいないか。振り返ってみましょう。

意識的ドリームキラー

悪意をもって意識的に夢を否定してくるドリームキラーもいます。

経済評論家の勝間和代氏によると、意識的に人の夢を否定する「意識的ドリームキラー」が生まれる理由は、相手への嫉妬心なのだそう。たとえば、同僚が「転職して一流外資系企業に行きたい!」と言い出したら、今の会社で頑張っている自分の生き方が否定されたように感じ、つい足を引っ張りたくなってしまう……という感じです。

私たちは、自分が属するステージよりも上にいる人や、上に行こうとしている人を見つけると、自分の価値観を揺るがされるような恐怖心を覚えます。そして、恐怖への防衛反応として、相手の夢を攻撃するドリームキラーと化してしまうことがあるのです。

ドリームキラーはあなた自身かも!?

自分自身がドリームキラーになってしまうケースも少なくありません。自分で掲げた夢や目標に対して、「でも、現実的じゃないかもな」「このままじゃ、叶わないかもしれないな」などと疑いを挟んでしまうことは、誰にでもあるでしょう。こうしたネガティブ思考が大きく育ってくると、「やっぱりあきらめようかな」と結論づけ、目標の破棄につながりかねません。

夢や目標を叶えるには、外から来るドリームキラーだけでなく、自分の内側から生まれるドリームキラーにも対処する必要があるのです。