まずは、ディスカッションが活発にならない理由を考えていきましょう。
この記事で挙げる要因が全てではありませんが、多くの人が直面するであろう理由を3つ挙げます。
理由1:大勢の前で話すのが恥ずかしい
まずは、自分としては意見があるのだけど、大勢の前で発言するのが恥ずかしいと感じ発言できないような状況が考えられます。
恥ずかしいと感じる理由としては、
「みんなと違う意見だったらどうしよう?」
「笑われてしまうかもしれない」
「間違った意見だったらどうしよう」
などの気持ちが働いている場合が多いでしょう。
ですが、このように感じる事は決して不自然ではなく、むしろ自分を守るための反応であり自然な感情です。
この場合、何らかの理由で「この場で発言した事が受け入れてもらえないかもしれない」と感じ、発言をためらってしまっていることが考えられます。
理由2:反論されるのが怖い
2つ目に考えられる理由は、自分の意見に対して反対意見を出されるのが怖いと感じていることです。
グループ内で発言しても、
「その意見には共感できない」
「その考え方間違ってる」
「私には分からないな」
と受け入れてもらえず、さらに反対意見で返されてしまうと、せっかく勇気を振り絞って発言したのに気持ちが萎えてしまいます。
発言した時に反対意見で論破されてしまったり、受け入れてもらえない経験をしてしまうと、それ以降発言するのが怖くなるのは仕方のないことだと言えます。
理由3:よく分からないテーマに対する不安
考えられる3つ目の理由は、ディスカッションをしているメンバーが話し合っているテーマについて何を話していいか分からず不安を感じていることが考えられます。
この状況は日常の些細な会話の中でも見かけられます。
例えば、ラグビーが好きな2人と、ラグビーをあまり知らない1人の3人で話をしていたとします。
ラグビー好きの2人は、ワールドカップで有名になった選手がお互いに好きであったことをきっかけに、2人で話が盛り上がりました。
しかし、もう1人はラグビーについて知らないので、何を話していいか分からず会話についていけいません。
それに気づいた2人が「ラグビーについてどう思う?」と気を利かせて話を振ってくれたとしても、知らないことについて話すのは難しく「う〜ん、、、」と言葉に詰まってしまった。
こんな場面はよくあるのではないでしょうか?
自分が知っていることや専門としていることは自信を持って話すことが出来ると思います。しかし、知らないことや知識が曖昧なことについては話すのをためらってしまいがちです。
グループディスカッションに置き換えてみると、グループで話し合うトピックについて予備知識がないと、「話し合っている話題から外れたことを言ってしまうかもしれない」と不安になるものです。
上記で挙げた3つの理由は数あるうちのいくつかだと思いますが、「安心して自分が発言出来ると感じられていない状態である」点が、共通して言えそうです。
ディスカッションをする前に心理的安全が作れるような取り組みを行ったり、メンバーの意見を受け入れる姿勢を取ることで、お互いに意見を出し合いやすい空間を作ることが出来ます。心理的安全が保たれた空間を作るのに必要なスキルは、ある程度時間をかけて繰り返し練習していく必要があります。