2025年に必要なスキルのトップ10
スキルは「問題解決能力」「自己管理能力」「他者との協力」「テクノロジーの利用と開発」の4つに分類されているが、そのうち問題解決能力が最も必要とされていることが分かる。
具体的には、「分析思考とイノベーション」「複雑な問題解決能力」「クリティカルシンキング(批判的思考)と分析」「創造性・独創力・イニシアティブ」、そして「理由づけと問題解決・アイデア出し」の5つが特定されている。
次に、自己管理能力のスキルとして、今年新たに挙げられた「アクティブラーニング(=能動的学習)と学習戦略」や、「レジリエンス(=心理的しなやかさ)やストレス耐性、柔軟性」が挙げられている。
テクノロジーの利用と開発では、「テクノロジーの利用と監視・管理」「テクノロジーのデザインとプログラミング」がランクイン。他者との協力では、「リーダーシップと社会的影響」が入った。
自己管理のスキルで今回新たに登場した「アクティブラーニング(=能動的学習)」に関して、企業で働くビジネスリーダーの94%が、従業員が新しいスキルを習得することを期待していると回答。2018年の65%から急増した結果となっている。
では、人びとがそのスキルをどのように習得するかというと、必要なトレーニングの39%は企業の内部部門によって提供されるが、そのほかにも、オンライン学習プラットフォーム(16%)および外部コンサルタント(11%)によって補完されるであろうことが分かった。
特にパンデミックが発生して以来、対面学習が制限される中、オンライン上でスキルを再構築する傾向が高まっている。
オンライン学習プラットフォーム「Coursera」のデータによると、オンライン学習の利用は2020年第2四半期に大幅に拡大。オンライン学習の機会を求める個人は4倍に増加し、雇用主による従業員へのオンライン学習機会の提供は5倍も増加。さらに、政府のプログラムを通じてオンライン学習にアクセスする人の登録数は9倍に拡大したという。
本レポートでは、雇用主は、社内にスキルのある人材がいない場合、従業員の62%にスキルの再開発やスキルアップへの機会を提供、その範囲は2025年までにさらに11%拡大するとしている。
一方で、雇用主が提供する機会を利用する従業員の割合は42%に止まっており、従業員側からの関与には遅れが生じているという結果も出ている。
2025年はもう4年後に迫っている。人間と機械が5:5に分業することで、需要が少なくなる仕事がますます出てくるのは必至であり、と同時に、新たに9,700万人分もの職種への需要が高まってくる。
企業にとっては、競争力の高い企業として将来も生き残るために、従業員の再訓練やスキル向上への投資が必須となっていく。個人のビジネスパーソンとしては、今のうちから未来の仕事に積極的に関わっていくためのスキル再構築とスキルアップの重要性を認め、その機会を逃さず、能動的に学習していくことが望まれる。