ムーヴ思考 ~社会的格差における運と努力~

自分の選択の結果、生じた不平等は選択の結果なのだから引き受けなければならないけれども、「運(自分の選択や努力ではどうしようもないこと)」による不平等は正されるべきだという考え方が「運の平等主義」です。

 

・「まじめに努力していれば、いつかは必ず報われると思う」

・「いくら努力しても、全く報われないことが多いと思う」

近年は後者の方が割合が増えているようです。

 

近代社会の建前は属性主義をやめ、「個人の能力」を尊重しようとしたことだと思いますが、その建前を実現するのは容易ではありません。性別や出自などによる露骨な差別や格差がなくなったとしても、家庭環境、経済環境、社会環境などが個人の能力に大きな影響を与えてしまうからです。