正常性バイアスとは、英語のbiasという意味が「判断を誤らせるような偏向」とある通り、さまざまな心理的な働きの結果、異常事態はそう簡単に起きないと考え、一度正常のものと誤認すると、正常な回避であったとしても、正常範囲内と思い込んでしまうような思考パターンである。
この思考パターンは、人間のメンタル面が疲弊しないように脳が働き、自然と心の平静を保つようにする為に起こる作用である。
よって、この思考パターン自体が悪いということではなく、このバイアスが過剰になると困った事態を招くことになる。火事が発生して、火災報知器が作動していたとしても、単に魚を焼いた際に煙が発生しただけで問題ない、逃げる必要はないと判断して逃げ遅れてしまうケースや何度も火災報知器が誤作動ばかりしていると、実際に火事が発生したとしても今回も誤作動と考えてしまうような悲劇が起こってしまう。
平和慣れしている日本人は、この正常性バイアスという思考パターンの傾向が強く、危機意識が薄いと言われている。