ムーヴ思考 ~勇気と弱さ~

「勇気を出して、どんどん挑戦してみよう」と言われたことがあっても、

「弱さをみんなの前でさらけ出せることが大事だよ」

「勇気ある行動は弱さを見せることでもあるんだよ」

などと言われて育った方は少ないのではないでしょうか。

今回はブレネー・ブラウン氏の勇気ある「弱さを見せる」という行動が具体的にどのようなことを指しているのか?それがどのように人の成長に繋がっていくのかを紐解いていきます。

ブラウン氏は、人との関係性(connection)を研究していく中で、関係性を築く上で勇気を持つことがとても大事だということに着目しました。

「勇気」という言葉を聞くと果敢に挑戦している強い人をイメージされる方もいるのではないでしょうか。

 

米国大統領フランクリン・ルーズベルトが勇気ある人に関して語っている名言から引用されています。

 

「批判する人に価値は無い。観客席から行動した人間を指してどうすれば良かったとか、どんな風につまずき失敗したのかと指摘するだけの人に価値は無い。埃と血と汗にまみれて努力した競技場に立つ人に名誉は与えられるのだ。競技場に立つ人は、うまくいけば勝利を得るし、失敗すれば敗北を喫する。しかし、失敗し敗北したとしてもそれは果敢に挑んだ結果なのだ」


“It is not the critic who counts; not the man who points out how the strong man stumbles, or where the doer of deeds could have done them better. The credit belongs to the man who is actually in the arena, whose face is marred by dust and sweat and blood; who strives valiantly; who errs, who comes short again and again, because there is no effort without error and shortcoming; but who does actually strive to do the deeds; who knows great enthusiasms, the great devotions; who spends himself in a worthy cause; who at the best knows in the end the triumph of high achievement, and who at the worst, if he fails, at least fails while daring greatly”

 

完璧な姿ではなくとも、競技場に足を踏み入れ果敢に挑む。そのためには自分の弱い部分と向き合い、周りの人たちにもその姿をさらけ出す必要がある。

 

この行動こそが勇気ある「弱さを見せる」となります。ではなぜ人との関係性や成長においてこの「弱さを見せる」という点が大事になってくるのか。

繋がりを強く感じている人たちは自分が愛されるに値すると信じている点でした。

では愛されるに値すると信じている人たちは具体的にどのような共通点を持っていたのか。

彼らは共通して勇気を持っていました。

具体的には、不完全であってもいいと思える勇気を持っていたのが見えてきました。

他者への思いやりも持っていますが、まずは自分に対する思いやりを持っていました。

理想的なあるべき自分の姿を手放し、あるがままの自分を受け入れる勇気がそこにはありました。

あるべき理想の姿ではなく、あるがままの今の自分を受け入れるには自分の弱さも含めて受け入れることになります。

自分の弱さも自分の大事な一部であること、それがあるからこその自分であることを全て受け入れていました。

両足を地につけた状態はとても安定していますが、前に進むことができません。

前に一歩進むためには片足をあげて非常に不安定な状態に一瞬ならなければいけません。

弱さを見せる勇気というのは、一旦不安定な状態になるのを覚悟しながらも前進するためにも必要なプロセスなのかもしれません。